在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

アップルウォッチでの歩行解析可能

「高齢者の歩行ー下肢障害の要因としての歩行動態とその予防法への試みー 橋本健史先生 慶應義塾大学スポーツ医学研究センター」という講演があり下記に簡単にまとめてみました

高齢者の歩行の解析結果を示されましたが、高齢者のリハビリに応用できそうです

①運動としての歩行の重要性
軟骨への機械的刺激は、強度10〜15% strain、頻度1Hz 、多軸(垂直応力と剪断応力)が効果大
→これらは歩行時の応力に近く、歩行こそ関節軟骨の再生に最適な運動である!

②歩行解析の基礎
1歩行周期に硬い足と柔らかい足を2回繰り返す
歩行速度1.33m/s=80m/分=4.8km/hが最も効率的な歩行
歩行時のエネルギーの80-85%は足関節底屈力=歩行においては足関節底屈力が最も重要!

③高齢者の歩行の特徴 

高齢者と若年者の歩行比較
・足関節
足関節底屈角と底屈力が小さい
高齢者は外返しが大きい=足関節捻挫(他に、膝蓋大腿関節障害、足底腱膜炎、アキレス腱症)が起こりやすい

・膝関節
高齢者は膝が屈曲傾向 直立2足歩行になっておらず、鳥や恐竜の歩行パターンに近い
内転が大きく膝OAのリスク因子

・股関節
高齢者は股関節最大伸展が小さい=歩幅が減り、歩行速度も減少

④歩行による下肢障害とその予防
常歩行は致死率増大、転倒リスク増、膝OAを引き起こす
高齢者の歩行能力改善策
1. つま先立ち訓練などで足関節底屈力の増大
2. タオルギャザーなどで足趾屈曲力の増大(バランス能力と相関)
3. ランジのような股関節伸展ストレッチ
4. 週1時間(1日9分)の4METs以上の運動(早歩きなど)で低速度歩行を改善
5. うつ状態、腰痛、膝痛、多剤併用を改善する

  • Wearble sensorによる歩行解析
    Wearble sensorでreal-time feedbackの可能性

アップルウォッチ×アイフォンにて歩行解析はできるようです↓

Measuring_Walking_Quality_Through_iPhone_Mobility_Metrics_JP.pdf (apple.com)

You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より

https://www.youtube.com/channel/UCMkHB9UwsqYXdxEAij9yD4Q

 

#アップルウォッチ#歩行解析#高齢者の歩行#下肢障害の要因