在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

筋膜の滑走の構造

 

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マイクロ下での筋膜

 

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筋膜は滑走する

 

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筋膜は何故滑走できるのか
私達は理論物理学者ではないので、見えない世界を理論で構築する必要はありません。
また、体表面上から見えない筋膜を治療することにもどかしさ感じているのではないでしょうか。
筋膜を光学顕微鏡レベルで見ると図のようになります。
自身は頭部や脊椎近傍の筋膜しか展開しませんが、筋膜自体は無秩序なフラクタル構造を示しているように見えます。
そして図に示すように、筋肉の収縮だけで可動するのでなく筋膜の役割が如何に大きいかイメージできるかと思います。
そして無秩序に見える筋膜の構造を構成するⅠ型コラーゲンとⅢ型コラーゲンにより微小腔が形成されグルコサミノグリカンのゲルで満たされ、筋肉や皮膚が多様な方向へ動くことが可能となります。
筋膜は柔らかな骨格でありながら、筋肉というエンジンからの出力を伝えるシャフトの働きもしていると考えます。