在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 51

がんは落ち着いていて経過観察されている場合において、在宅医療医注意すべきことは何でしょうか?

まず、治療後がんが根治されているかどうか確認が必要です。

具体的には、治療の晩期毒性としての

リンパ浮腫放射線性肺臓炎、末梢神経障害、不妊症、血管系の成人病促進

などに注意が必要です。

次に再発、二次発がんに注意するため毎年の検診が大切となります。

また乳がんの合併症として以下のものを常に想起する必要があります

・骨転移:骨痛、高カルシウム血症

・脳転移・がん性髄膜炎:神経症状(巣症状、頭痛、ふらつき、精神症状、倦怠感)

・がん性胸膜炎:胸水による呼吸困難

・がん性心嚢水:心不全、呼吸困難

・肝転移:肝障害、皮膚伸展痛

特に合併症としての脱水、感染症深部静脈血栓症肺塞栓症などに注意が必要です