在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

痛みのない傷の処置を目指して

当クリニックでは、褥創や傷を洗浄する際には水道水で良いと考えてますが、より痛みが生じないように、生理食塩水で洗うことを推奨しています。

生理食塩水は血漿浸透圧と同等な浸透圧を持ち、組織に対する刺激が少ないためです。

病院でよく行われているのが、点滴の生理食塩水に18G針を刺して洗う方法です。

この方法でも良いのですが、処置の度に輸液を使わなくてはなりませんし、保険請求もできません。在宅医療なので、身近にあるもので安価に生理食塩水を作ります。

生理食塩水は要するに0.9%の食塩水なので、1Lの水に9gの塩を溶かすことで作ることができます。

例えば、下の写真の小さじすり切り一杯の塩を測ると1.9gでした。0.9%の食塩水を作るには211mlの水に溶かせばよく、霧吹きの矢印のところまで水を入れれば、生理食塩水を作ることができるようにします

ご家族が毎日傷の処置をする場合、このセットをお渡しして、生理食塩水を作ってもらい、処置してもらうこともしています。

#在宅医療における創傷処置
#高齢者の傷の治療