在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

塞栓性梗塞に対する内服予防について

新しい経口抗凝固薬をNovel oral anticoagulant (NOAC)と呼んできましたが、最初のNOACの発売後8年が経過し、最近ではDOAC呼ばれるようになりました。。

一覧表を少し古い脳神経外科速報から持ってきました(プラザキサに関しては既に中和薬が発売されますが)。
これを見ると4種類がそれぞれの特徴を持っていることが分かります。

まず、DOACとワーファリンを比較すると、大きく違うのは半減期と最高血中濃度到達時間。ワーファリンはどちらもとても長いですね。ゆっくり効いて、ゆっくり切れていく感じです。
一方DOACは0.5-1時間で効きはじめて、5-14時間で半減する。どちらも短時間です。早く効いて、早く切れるのです。
薬によって違うのが腎排泄の割合。この数値が高いものは、腎臓が悪い方には向いていません。

こうした薬を内服する患者さんは、高齢の方が多く腎臓の機能が落ちている場合が多いのでエリキュースの選択が個人的に多い印象です。
また、もう一つの特徴はダビガトラン(製品名 プラザキサ)とアピキサバン(製品名 エリキュース)は1日2回内服、リバーロキサバン(製品名 イグザレルト)とエドキサバン(製品名 リクシアナ)は1日1回内服です。
DOACはどれも採血の必要がありませんが、逆に言えばいいモニタリングの方法がないのです(安全性評価としてAPTTを採血する場合もありますが)。一方、ワーファリンは血中濃度が不安定ですが、採血でモニタリングが可能です。
す。

f:id:neurosamasama:20190303065829p:plain

DOAC早見表