在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

脳神経外科とは経験値を科学する学問である

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アイスマン

脳神経外科とは経験値を科学する学問である」これは、後期研修医時代のお師匠さんが言っていた言葉で、その当時含蓄ある言葉だなぁと感心しました。手術を効率よく美しく行うには様々な工夫を要するのですが、これは経験値からどの様に工夫すべきかを科学的に考える必要がある。

話変わって、自身脊椎外科技術認定医であり腰痛などの訴えの患者さんを診させて頂いてます。極論では言えば、医学的に治せる腰痛は限られており、病院に来て頂いても湿布薬などを処方するのみです。逆にあそこに行けば腰痛が完全に治るとした場合、医療における革命的な出来事かもしれません。病院へ来る理由の主訴としては腰痛が一番多いそうですし。

しかし、医学から少し離れるかもしれませんが鍼灸、筋膜リリース、運動器エコーなどにて腰痛の原因と緩和をより科学的にアプローチできるとも考えてます。

 

写真は5300年前に亡くなり、雪山からミイラの状態で発見されたアイスマンです。

ミイラには無数の入れ墨が施されていたでのすが、それは鍼灸経穴(いわゆるツボ)と誤差6mm以内で多くが、点や十字の入れ墨がされていたそうです。

全く効果の無い治療が数千年以上続くことはないと考えますが、では何故効果があるか科学的に説明出来ないと説得性に欠ける。

例えば筋膜リリース行うと深部筋層の血流が増えるなどは、自己治癒起点の間接証拠になるのでは?と最近考えており、少しづつ検証しております。

 

しかし、何より驚くのは5300年前の人類は自分の身体の不調に耳を傾け、自分で治そうとしていたことです。長年付き合っている自分の身体は、自分が一番分かるという経験値を自身で科学することを忘れてしまったことが、現在の膨大な医療費の原因とも考えています。