在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

がん緩和ケア医療を科学する5

よく聞かれる質問として鎮静による予後への影響、いわゆる鎮静により生命予後が短くなりますかという問いがあります。

Morita J Pain Symptom Manage2005の報告では

鎮静を行った患者群と行わなかった患者群との比較観察研究では観察開始から死亡までの生命予後に優位な差は認めていないと報告されています。

@日本の緩和ケア病棟における持続的深い鎮静を施行したがん患者102例の調査

 

呼吸抑制(8回未満/分以下)や
循環抑制(収縮期血圧60mmHg以下または50%以上の低下)は20%の患者で認めた

鎮静薬が原因で致死的な状態に陥ったと判断した患者は3.9%

Agitation Distress Scaleにて高い点数の患者ほど、つまり呼吸抑制や循環抑制などの要素がある場合には注意が必要です。

 

結論として適切な鎮静により、「集団として極端に生命予後を短縮することはない」が、個々の患者では頻度は低いが鎮静薬の影響により致死的な転機をたどる可能性あり

ということは注意が必要です。

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苦痛緩和と鎮静

#在宅医療医に必要な緩和ケア治療に関する知識

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