在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

気管切開患者さんへの朗報~持続吸引器「アモレSU1」の使用経験

気管切開をして人工呼吸器を装着している患者さんは、自分の力では痰が出せませんので、適宜、気管内の痰の吸引が必要です。

人工呼吸器などを使用している患者様を自宅で看る際の一つ、ネックがカニューレ吸引があります。

*呼吸の通り道の掃除のイメージです

誤嚥防止術をしていない患者さんだとカフの脇から漏れて気管内に垂れ込んでくる唾液も吸引しないといけないので、吸引回数が多くなります。吸引回数が多いと、患者・介護者ともに負担が大きくなってしまいます。

そこでとても便利なのが、気管内の痰を24時間自動で持続的に低圧で吸引してくれる「アモレSU1」という機械です。使用するには、「コーケンダブルサクションカニューレ」という専用のカニューレが必要です。これは、通常のカニューレにアモレSU1用の吸引チューブと吸引口がついているもので、カフ下部の痰を持続的に吸引してくれます。肺に疾患がない患者の痰は、ほとんどが唾液や 鼻分泌物の垂れ込みであるとのことです。自動持続吸引システムはこの根拠か ら、それらが肺に落ちる前に気道内で回収する仕組みになっています。つまり、 カニューレ下部に設けられた吸引孔に触れた痰が、吸引ラインを通じて常時少 しずつ自動的に吸引されるわけです。

*マニュアルでは原則として、持続吸引器 の流量設定を1(10ml/秒)以下で使用するよう規定されています。

*呼吸器つけていない方は、もう少し上げても大丈夫です。

 




 

間歇吸引のデメリット

カニューレ内で痰が固結化 *こびりついた錆のようになる

・手動吸引は固結化を取ることに時間を要する

・手動吸引はジャストオンタイムで、必要時に適宜吸引となる→時間的拘束が高い

*20-30回/日吸引が普通 場合によればもっと多い

 

持続吸引のメリットは間歇吸引のデメリットの裏返しであり

・持続的に吸引しているので、カニューレ内で痰が固結化しにくい

・必要時に適宜吸引が不要となり、家族の介護負担が激減する=患者さんも安心して夜寝られる

持続吸引のデメリット

詰まると無力

これに尽きるかと思います。マニュアルではカニューレ交換と記載されていますが、それでは介護負担軽減にはならないかと、、、

また注意点として、今まで使用しているカニューレコーケンダブルサクションカニューレはサイズ径が全く異なることです

 

以下は自己責任であくまで私見としての記載です

まず肺内の湿潤環境調整として

・水分摂取

・人口鼻ないし常時加湿器

ムコダインなどの痰の軟性化処方

 

  • カニューレ内吸引20-30秒(通常吸引です)
  • 持続吸引カテからエアフラッシュ60秒 カニューレ内にでききた痰は通常吸引
  • 5mlシリンジにて1.5ml肺内へ注入し、固結化防止ないし除去します
  • 再度エアフラッシュ20秒
  • 再度吸引し終了。トータル3分程度で、これを朝夕

 

特に上記③は、異論あるかと思いますが結露水の垂れ込みよりベター

何より固結化予防できます。

 

・持続吸引器の動作音は深夜でも気にならないレベルです。

・導入半月後に胸部のレントゲン撮影や血液検査(静脈血・動脈血)を受けた 結果、何ら異常は見つかりませんでした。 システム運用上の注意 ・気切部から吸引する際、自動吸引システム導入以前と同様に、体位変換やタ ッピングなど、肺の隅や奥にたまった痰を出しやすくする必要性は変わりま せん。肺炎を防ぐためです。

 

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逗子、葉山、横須賀、鎌倉を撮影される山内様の写真です