在宅医療における高齢者において肺炎は非常に起こりやすい感染症の一つです。人は無意識に嚥下をしてますが、これは何も食事をしているときばかりでなく、寝ている時も唾液などを無意識に嚥下しています。嚥下をするという機能も脳からの命令で行われているものであり、様々な機能低下の一貫として嚥下機能の低下も高齢者には起こります。重症感染症の場合は、速やかに連携医療機関にて治療することが最善です。但し、高齢者のくすぶる誤嚥性肺炎は、繰り返します。また入院により環境変化は認知機能低下や廃用萎縮など2次的な弊害も起こりえます。こうした悩みに関して肺炎治療を外来でするか、入院でするかについていい指標があります。CURB-65というスコアリングです。頭文字を一つずつとっています。
Confusion:意識障害
Urea : BUN 20mg/dL 以上
Respiratory Rate:呼吸数 30回/分 以上
Blood Pressure:血圧 90/60mmHg 以下
65:65歳以上
死亡率:(0~1点)2%、(2~3点)15%、(4~5点)50%
2点以上なら入院治療が望ましいと言われています。
Urea以外は、バイタルサインだけで判断することができます。バイタルサインの重要性が改めて分かります。訪問診療を受けている患者さんは、ほとんどが65歳以上なので、この時点で1点。つまり呼吸数が30回/分以上か、収縮期血圧が90以下など呼吸が荒い、血圧が低いなどの所見ある場合は入院適応と考えられます。しかし、この基準はあくまで目安であり、基準以下でも社会的な理由で入院となることもありますし、逆に基準を満たしていても、そもそも看取り段階の場合は在宅で加療することもありますので、ケースバイケースでの対応となります。そのほかスコアとしてCRB
Confusion:意識障害
Respiratory Rate:呼吸数 30回/分 以上
Blood Pressure:血圧 90/60mmHg 以下
という、もっと簡便なスコアもあります。またA-DROP
Age:男性70歳以上・女性75歳以上
Dehydration:脱水 BUN≧21mg/dL
Respiration:SpO2≦90またはPaO2≦60Torr
覚えることが多く嫌になりますね。
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