2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
褥瘡は、そもそも論で体位変換できない状態の部位に持続的に圧力がかかることにより生じます。なので、褥瘡治療に対し、湿潤療法を熱心行ったとしても、かかる圧力を減じなければ根本的にはいつまで経っても褥瘡はよくなりません。褥瘡予防のために頻回に体…
癌疼痛のある患者にステロイド投与は推奨されるか?という問いに対して自身は禁忌ない限り全例で投与しております。 とりわけ悪液質に対して有効であり倦怠感、食欲不振などに著効します。 注意点としては、緩和領域にて用いられるステロイドは、浮腫の原因…
病院勤務時代の術後の患者さんで、創部治癒遅延が予想される患者さんに対してはカラヤヘシブという被覆材を用いていました。とても有用な被覆材ですが高価であり、通常の薬局などで購入することができず褥瘡治療に援用することができません。褥瘡に対しては…
癌疼痛のある患者に対してオピオイドにおける鎮痛補助薬のポイントとして下図のような治療薬があります。 私見ですが プレガバリンは膵癌の腹腔神経叢浸潤、脊髄神経-末梢神経圧迫に鎮痛補助薬は有効と考えています。そして副次作用としての眠気はミロガバリ…
褥瘡治療とは、軟膏の種類を変えてみたり、創傷被覆材を変えてみたりすることではありません。 褥瘡を治すには、「なぜ褥瘡ができるのか」、「傷(キズ)が治るということはどういうことなのか」といった、理論的な背景を知っておく必要があります。 まず、…
癌疼痛のある患者に対してオピオイド使用+αとして 抗うつ薬、抗痙攣薬、抗不整脈薬、ケタミンは推奨されるかという問いに対して オピオイドを増量しても十分な鎮痛効果が得られない or 有害作用により増量出来ない場合は➤弱い推奨となります。 具体的には自…
2014年厚労省にてACP(Advance Care Planning)という言葉が提唱されました。人生会議という言葉でも代替され、人生の最期をどこで過ごすか?ということを事前に話合いましょう、という取り組みです。この取り組みの中で、人生の最期を家でという希望が6割以上…
呼吸困難の時の緩和ケアをUp Dateしましょう。 抗不安薬・オピオイド・ステロイドの3点セット!(内服困難時はミダゾラム注も) ただし、在宅にてミダゾラムの使用は、まだまだ難しいのが現状です(どこから調達しで、だれが管理するかという問題において)。 ①…
それまで日常生活において特段問題なかった患者さんが入院により、認知機能障害が顕在化することがよくあります。認知症という言葉は、非常に一般的ですが、この病気は様々な特徴ある病態により病名が異なってきます。また症状においても中核症状と周辺症状…
高度腎機能障害のある患者において、どのオピオイドを使用すればよいか? 在宅医療において高齢者が対象となる場合が多く、腎機能不全の患者さんにオピオイドを使用しなければならない時があります。 ➤こうした場合、高度腎機能障害のある患者(eGFR30未満)の…
糖尿病は放置すると様々な病気を引き越します。透析へ移行する慢性腎不全の一番の原因は糖尿病性腎症です。また心筋梗塞や脳梗塞などの血管障害の原因ともなる病気です。また高齢者では軽症の糖尿病においても感染などを契機に糖尿病性のケトアシドーシスが…
フェンタニル口腔粘膜吸収製剤(ROO:Rapid Onset Opioid)について詳しく説明します。 ROOにはアブストラル舌下錠,イーフェンバッカル錠は下図の様に内服します。末期がんにおいて内服困難となった状況でも使用可能な薬剤となります。 ①原則経口モルヒネ換算の…
科学的認知症診療 5Lessons | 小田 陽彦 |本 | 通販 | Amazon 認知症診療に関する記載として、非常に有用な本です。そしてこの筆者の最も言いたいところは、「一般臨床医は抗認知症薬を使わないのが基本」だと思います。この意見には、非常に同意します。病…
がん患者さんの疼痛管理には定時で服用するオピオイドが必要とされ、これをベース(基礎的)の内服とされます。 こうしたベースの内服においても、がん突出痛と呼ばれる痛みに対する投薬も必要となってきます。 がん突出痛のある患者に対して、どのオピオイド…
以前も書いたのですが、認知症患者さんが入院されるとかなりの頻度で身体拘束されます。程度はベッドから起き上がれないくらい本格的なものから、車いすに固定される程度まで様々です。これは転倒などの危険防止や脱走防止です(実際、院外で保護されるなどの…
1.本邦で使用可能なオピオイド一覧は下記になります。オピオイド設定時のポイントは、 ①徐放性製剤、速放性製剤の両方を設定する ②なるべく少量から開始し眠気、吐き気を防ぐ。2~3日で耐性が形成 #さくら在宅クリニック #がん緩和ケア #本邦で使用可能な…
傷口にラップっていいの? 熱傷・褥瘡、専門家の見解は:朝日新聞デジタル (asahi.com) この記事の中で、日本熱傷学会は傷口にラップは「絶対に使ってはならない」、日本褥創学会は「やむ得ない場合は考慮してもよい」との見解を出しています。 では、実際に…
緩和医療で欠かせない持続皮下注射(CSI: Continuous Subcutaneous Injection)です。終末期の患者さんにおいて中心静脈が確保されている患者さん以外において血管確保が難しくなっていきます。 また在宅でのケアにおいて皮下注射の方が管理上も簡便になります…
認知症が薬で治るか?という問いの前に認知症とは病気なのでしょうか?人の神経細胞は再生しません。一応、これは原理原則であり、実際再生される部位もあります。但し、人間神経細胞が再生しないことは、理に適っていると私は考えます。もし、脱落した神経…
癌疼痛患者にどのオピオイドを選択すればよいのか?自身も悩むことありますが、簡単にまとめると下図のようになります。まず基本として *全て強い推奨。等価換算量のあれば5剤は差がないことです。 *呼吸症状の緩和にはモルヒネが最もエビデンス蓄積され…
自身、勤務医時代に介護保険と医療保険の明確な違いを理解できていませんでした。以前の施設で勤務していた時にデータ整理の際に10年間で約1万人の脳卒中診療に携わり、7千人の脳梗塞患者を診ていたことを知りました。その中でかなりの患者さんが介護申請を…
オピオイドと比較して鎮痛効果の弱いNSAIDs/アセトアミノフェンは、どの様な位置づけになるでしょうか。 がん疼痛のある患者に対してNSAIDs/アセトアミノフェンは推奨されるか?という問いに対して。 ガイドラインにおいては、痛みに対し、初めて投与する鎮…
パーキンソン病は、中脳黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性の疾患です。診断に関してはMIBG心筋シンチグラフィーと呼ばれる、心臓の交感神経の状態を診る検査を行う場合もあります。これは、MIBG(メタヨードベンジルグアニジン)というノルエ…
在宅医療医においてがん終末期治療 いわゆる がん緩和ケアに関するトレーニングは必ず行わなければなりません 私自身も現在において緩和ケア病棟へ定期的に勉強しに行っております 但し、がん緩和ケア病棟の治療をそのまま在宅医療に持ってこれない場合もあ…
脳卒中などで意識状態が清明でない患者さんなどにおいて、発熱は常につきまとう症状です。人は寝ている間も無意識下に嚥下しています。これは唾液もそうですし、食事した際の食べ物や胃液が逆流してくる場合も同様です。こうした患者さんに都度検査や抗生剤…
ケアマネージャーの試験を受けます!こうして公言すれば逃げられなくなります。受験申請が6月、試験が10月にて2023.6受験申込、2023.10試験のスケジュールでいきます。合格率は、年によりかなり幅があります。因みに合格率は10~20%前後で、簡単な試験では…