今、個人的に常々考えているのは未破裂中大脳動脈瘤に対し
どの様な場合に血管内治療を選択すべきか?
これを脳卒中学会のシンポジウムでセッションが行われていました。
因みに上記の表はNeurosurg Rev. 2014から引用したものです。
これによると完全閉塞の確率は、直達手術は97%、血管内治療は75%であった。
これだけ見ると、開頭手術有利ですね。
但し、中大脳動脈瘤は本来破裂率低い動脈瘤であり、必ずしも完全閉塞目指さず
ネック(動脈瘤の入り口)は少し甘く塞栓されても許容されるのでは?というのが個人的意見です。
この動脈瘤に対し、開頭手術が苦手な解剖学的特徴は明確であり(中大脳動脈が短いタイプ)、これに対して血管内治療で治療可能な場合は、血管内治療行う、それ以外は原則この部位に関しては開頭に利があるのでは?というのが現在の私のスタンスです。
もちろん、これから新しいデバイス(WEB:サクランボ状のネットのようなデバイス)が日本で使えるようになれば、また新しい展開になると思いますが。
いずれにしても、未破裂動脈瘤で最も重要な原則は治療可能か否か、完全閉塞出来るか否かでなく、決して合併症を作ってはならない。
この原則に従い、治療方針を決めることが最も重要と私は考えます。