在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

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ここから少しずつコアな話へ移りたいと思います。まず筋膜とは?として明快に答えられる人を自身の少ない経験の中では一人もいませんでした。Professor Andryの「柔らかい骨格である」という言葉はイメージとして非常に的確な表現だと感じます。自身、脳外科医として側頭筋や脊椎の手術において腰部、頸部の筋膜を展開しておりますが
①線維と脂肪に富み弾力性有する②筋肉と皮膚を滑走させる③温度調節、血流、リンパ流に関与する
という特徴を筋膜は有し、とりわけ筋肉と皮膚を滑走させるという点は重要と考えます。骨が関節により骨どうしを滑走させ脊椎動物として柔軟に動けるようにした反面、この機能障害にて疼痛など様々な障害を生み出します。同様に筋膜も「柔らかい骨格である」として滑走性の低下は様々な障害を生じると考えます。骨も筋膜も可動性低下(underuseもしくはoveruse)にて類似した症状を生じる点からも筋膜は「柔らかい骨格である」と感じております。進化の途上で海を体内に閉じ込める皮膚を生み出した神は、疼痛が生じる弊害までは想定外だったのかもしれません。