在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

がん緩和ケア医療を科学する9

がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2020年版)が改訂されました。

ポイントとしては、

新規薬剤のバリエーションが増えました。取り分けナルサスなど自身がファーストラインで使用するオピオイドなどが収載されています。

ほかにも弱オピオイドに分類されるトラマドール、神経障害性疼痛に使用するミロガバリンなども載っています。

  • ヒドロモルフィン(ナルサス、ナルラピド、ナルペイン)
  • オキシコドン(オキシコンチン)
  • トラマドール(トラマール、ワントラム)
  • ミロガバリン(タリージェ) 
  •  
  • その他オピオイド使用に伴う便秘に著効するナルデメジン(スインプロイク)や
  • ポリエチレングリコール製剤(モビコール)、エロピキシバット(グーフィス)、リナクロチド(リンゼス)など便秘の治療薬の選択肢が増えました。

    また、がん疼痛の患者さんにおいて最初に何を使用すべきか?

がん疼痛のある患者に対してNSAIDs/アセトアミノフェンは推奨されるか?

痛みに対し、初めて投与する鎮痛薬として強い推奨とされています。

特に下記の2点は常に意識すべきことです。

※高齢者や腎障害・消化管出血の既往がある
場合は原則アセトアミノフェンを選択する

NSAIDsアセトアミノフェン
相乗効果があるとされ、併用可能!

まあ骨転移などある場合、オピオイドが投与されているにも関わらず、
鎮痛効果が得られていないときに弱い推奨とされています。

骨転移などにはオピオイドより有効なことも多い!
(原則、オピオイドと併用)

また日本でのアセトアミノフェンは使用量が少ない=がん性疼痛に効かない現実

病状にて4000mgまで使用可能(2000mg/日から使用)にも留意が必要です。

You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より

https://www.youtube.com/channel/UCMkHB9UwsqYXdxEAij9yD4Q

#がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2020年版)

#在宅医療医に必要な緩和ケア治療に関する知識

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