在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2022-10-28から1日間の記事一覧

パーキンソン病を科学する

ドパ製剤の利点は ・効果発現がわかりやすい・診断的治療に有用 ・ほかの薬剤と比べて安価 ・幻覚のリスクが比較的低い であり、デメリットとしては ・消化器系副作用を来しやすいことより対策は、少量から開始する、増量しすぎない が重要です。在宅医療 | …

パーキンソン病を科学する

ドパの脳内への到達率は極めて低いものです。 空腸から血管内へ入るのにも様々な物質と競合します。さらに血管内から脳内へ入るには血液脳関門と呼ばれる関所を潜り抜ける必要があります。こうして脳内へ到達するのはわずか1%程度であり、ドパの分解阻害剤…

認知症予防の妙薬その2

前回運動による認知症予防効果について触れたのですが、逆の研究結果がBMJ. 2017 Jun 22;357に掲載されています。 内容は認知症を発症した患者とそれ以外の参加者の間で、追跡期間中の1週間あたりの総運動時間、低強度の運動をした時間、中~高強度の運動を…