在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2025-06-09から1日間の記事一覧

創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する①~スキン‐テアとは?STAR分類システムで正しく評価しよう

皮膚が裂けてしまった傷を見て、「これって褥瘡?それともスキン‐テア?」と悩んだことはありませんか? スキン‐テア(Skin Tear)は、高齢者や皮膚が脆弱な方によく見られる「摩擦やずれの外力によって皮膚が裂ける損傷」のことです。特に上肢がベッド柵に…

在宅医療における「体重測定」の意義とは?

在宅医療の現場で、私たちがとても大切にしているのが定期的な体重測定です。特別な機器がなくても、立てる方であれば簡単に実施でき、体重の経時的な変化から多くの健康サインを読み取ることができます。 体重が減っている場合には? 老衰の進行の一環であ…

パーキンソン病を科学する19~ドパ製剤が「効かなくなる」理由とは? 〜ウェアリング・オフ現象の正体〜

パーキンソン病治療の中心を担うドーパ(L-ドパ)製剤。 この薬には「よく効く」という強みがある一方で、長期投与による“効かなくなる”問題が避けられません。 ドーパミン製剤の特性とは? 治療初期は、誰にでも一定の効果が期待でき、血中濃度も安定しやす…