在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2025-06-14から1日間の記事一覧

【在宅医療の現場から】 胸水貯留に対する在宅ドレナージの実際と注意点

在宅医療の現場では、がん性胸水をはじめとした胸水貯留に伴う呼吸苦を抱える患者さんに対応することが少なくありません。近年、在宅でも胸水の排液(間欠的・持続的いずれも)を行うケースが増えており、当院でも常時数名の患者さんに対応しています。 今回…

創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する⑥~80代男性にみられたスキンテアとケアの工夫

~抗凝固薬内服中の皮膚脆弱性に注意~ 今回は、80代男性・Bさんのケースを通して、**スキンテア(皮膚裂傷)**への対応と予防についてご紹介します。 事例の概要 Bさんは抗凝固薬を内服中で、上肢に紫斑がみられるなど皮膚の脆弱性が高い状態にありました…

パーキンソン病を科学する23~パーキンソン病治療の基本と在宅医療における課題

〜L-ドパと治療後期の工夫〜 パーキンソン病治療の中心は、L-ドパ(レボドパ)とドパミンアゴニストの2本柱です。中でもL-ドパはより強力な“太い柱”と位置づけられており、多くの患者さんで基本薬となります。そのほか、MAO-B阻害薬やCOMT阻害薬、**ニュープ…