在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2025-07-08から1日間の記事一覧

「菌が出た=治療」ではありません

~90代の施設入居者さんの膀胱カテーテル管理から考える~ 今回は、膀胱留置カテーテルを長期間使用されている患者さんの症例をご紹介します。 90代・施設入居中の方で、約3年前より尿閉のため膀胱カテーテルを留置されています。最近、当院の訪問診療を開始…

創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する28~足を守るためにできること──下肢潰瘍の予防と治療・ケアの実践ポイント

下肢潰瘍(足の潰瘍)**は、糖尿病・動脈硬化・静脈うっ滞など、基礎疾患に伴って発生・進行することが多く、再発や重症化、最悪の場合は切断に至ることもあります。 潰瘍の発生を防ぐための予防策と、発症後の治療・ケアの注意点を正しく知ることが、足を守…

パーキンソン病を科学する41~DATスキャンは正常?それでも“パーキンソン病”と診断された方へ 〜SWEDDsという概念〜

パーキンソン病と診断されたにもかかわらず、DATスキャンでは異常が見られないケースがあります。 このような患者群は、専門的にはSWEDDs(Scans Without Evidence of Dopaminergic Deficit)=ドパミン神経脱落の証拠がない画像所見群と呼ばれ、近年注目さ…