在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2025-06-11から1日間の記事一覧

創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する③~スキンテア予防の基本とケア用品の選び方

**スキンテア(皮膚裂傷)**は、高齢者や皮膚がもろくなった方に多く見られる皮膚損傷の一つ。摩擦やずれといった外力によって、皮膚が裂けるように傷ついてしまいます。 スキンテアを防ぐには、以下の3つの視点が重要です。 ✅ 1. 健やかな皮膚を保つには? …

パーキンソン病と日中傾眠:在宅医療の現場から

80代の男性患者が、無動による横紋筋融解症を契機に救急搬送され、その後パーキンソン病(以下PD)の診断を受けて在宅療養を開始されました。治療初期(いわゆる“ハネムーン期”)では、L-ドーパに加えMAO-B阻害薬などを用いた薬物治療が奏功し、順調に日常生…

パーキンソン病を科学する20~パーキンソン病の「症状の波」はなぜ起こる?

〜ウェアリングオフの神経メカニズム〜 パーキンソン病では、時間帯によって体がよく動くとき・動きづらいときが交互に現れることがあります。このような「症状の波」はウェアリングオフ現象と呼ばれます。 神経レベルで何が起きているのか? 病気が進行す…