在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2025-06-15から1日間の記事一覧

創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する⑦~【事例で学ぶ】スキンテア発生時の初期対応とケアのポイント

~STAR分類とドレッシング材の選び方~ **Cさん(70代・男性)**は抗凝固薬を内服中。夜間に不穏となり、ベッド柵から身を乗り出そうとした際、**左大腿部にスキンテア(皮膚裂傷)**が発生しました。 翌朝、創部のケアを行おうとしたところ、皮弁が乾燥して…

パーキンソン病を科学する24~【パーキンソン病治療の選択肢】在宅医療で支える“その先”の治療とは?

― さくら在宅クリニックの取り組み ― ■ パーキンソン病治療の基本とその次の選択 パーキンソン病治療の中心は**L-ドパ製剤(ドーパミン補充療法)**ですが、それだけでは長期的な症状コントロールが難しくなることがあります。 そんなときに重要となるのが、…

ご自宅でできる「嚥下内視鏡検査」 ~誤嚥性肺炎を繰り返す方・飲み込みに不安のある方へ~

高齢者の在宅医療において、とても重要なテーマの一つが「食べること」です。特に認知症や脳卒中の既往がある方、がん・神経難病を抱える方にとって、「食べる」ことは大きな課題となる場合があります。 食べられない理由はさまざま 嚥下(飲み込み)機能の…

パーキンソン病を科学する25②~

【パーキンソン病治療】基本はL-DOPA。その“効かせ方”をどう工夫するか? パーキンソン病の治療において、中核をなすのがL-DOPA(レボドパ)製剤です。これはドーパミンの前駆体であり、脳内でドーパミンに変換されることで、運動症状の改善をもたらします。…