在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2025-07-12から1日間の記事一覧

在宅医療における認知症について①~「認知症=病名」ではない?増え続けるアルツハイマー病、その背景を考える

❗まず知っておきたいこと: 「認知症」は病名ではありません。 WHOの国際疾病分類(ICD-10)によれば、認知症とは以下のように定義されています: 「脳の疾患によって引き起こされる症候群(症状の集まり)であり、記憶・思考・見当識・理解・計算・学習・言…

座位中心の生活で悪化した臀部の褥瘡が、クッション変更で改善!

80代男性/要介護高齢者 状況とご相談内容 ケアマネジャーさんより、「お尻が赤くてなかなか治らない」とのご相談がありました。すでに低反発マットレスとクッションは導入済みとのことでしたが、臀部の発赤が持続しており、改善傾向が見られない状況でし…

看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する②~超音波検査における「周波数」の重要性

~減衰・屈折・分解能の違いを理解しよう~ 超音波検査(エコー)は、医療現場で非常によく使われている画像診断手法です。被ばくがなく、リアルタイムに身体の内部を観察できるという利点がありますが、実は「周波数の選び方」がとても重要なポイントになり…