在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

座位中心の生活で悪化した臀部の褥瘡が、クッション変更で改善!

👤 80代男性/要介護高齢者

🔍 状況とご相談内容

ケアマネジャーさんより、「お尻が赤くてなかなか治らない」とのご相談がありました。すでに低反発マットレスクッションは導入済みとのことでしたが、臀部の発赤が持続しており、改善傾向が見られない状況でした。

<small>▶︎ [写真1:褥瘡発赤の状態(導入前)]</small>

🧪 体圧測定による原因の分析

体圧測定を実施したところ、以下のような結果が得られました:

  • 仰臥位:24.7 mmHg

  • 座位 :44.0 mmHg(※通常より高め)

➡️ この方は日中座っている時間が長く、座位による圧迫が明らかな原因と考えられました。

💡 対応:クッションの再選定

当初導入されていたクッションでは除圧効果が不十分と考え、より体圧分散性に優れた製品への変更をケアマネジャーさんへ提案しました。

導入されたのは、パワークッション(molten社)。電動で空気圧を変化させながら、断続的に除圧を行うタイプの高機能クッションです。

<small>▶︎ [写真2:導入されたパワークッション]</small>【クルマイス】ウィーリィ ホームケア|クルマイス|製品情報|株式会社モルテン 健康用品事業本部Molten Body Pressure Dispersion Cushion (Peach) Detachable Cover mphp – Goods Of Japan

📈 経過と効果

クッション変更後、約1か月で臀部の赤みは完全に消失。下の写真は、導入1か月後の様子です。

<small>▶︎ [写真3:改善後の臀部皮膚]</small>

✨ この症例から学べること

  • 褥瘡の**最大の治療は原因除去(=除圧)**であること

  • 患部の状態に加え、日常の姿勢・生活パターンに応じたアセスメントが重要

  • 既存のクッションで効果不十分な場合、再評価と変更提案が必要

📝 まとめ

褥瘡対策は、「とりあえず保湿」や「軟膏処置」だけでは不十分です。原因(圧迫)を科学的に把握し、的確に対応することが改善への近道となります。

まとめ

「とりあえず保湿」「とりあえず軟膏」だけでは褥瘡は治りません。
科学的に圧迫の原因を分析し、最適なツールを選択することで、効果的な改善が可能です。

💻 このような在宅ケアの工夫や解説はYouTubeでも発信中!
内田賢一 - YouTubeで「在宅医療・呼吸器ケア」をチェック!


🔖 ハッシュタグ

#褥瘡ケア #体圧分散 #在宅医療 #パワークッション #Molten
#逗子 #葉山 #横須賀市 #鎌倉市 #横浜市
#さくら在宅クリニック #shounan_zaitaku #訪問診療 #褥瘡予防