在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2025-07-14から1日間の記事一覧

高齢者の「転倒+股関節痛」でまず疑うべきこと

大腿骨近位部骨折の診断と治療の基本 ✅ はじめに 大腿骨近位部骨折は、高齢者に最も多い転倒によるケガのひとつです。見逃すと寝たきりや合併症の原因となり、ADL(日常生活動作)や生命予後に大きく影響します。 本記事では、超高齢社会を支える皆さんのた…

看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する④~超音波(エコー)の見え方を決める3つの要素

超音波画像(エコー)は、身体の内部構造を“音の反射”で描き出す検査です。その「見え方」=画像の明瞭さや境界の強さは、主に以下の3つの物理的特性により決まります。 ① 音速(Sound Velocity) 音速とは、1秒間に音が進む距離です。空気中では約340 m/s、…

在宅医療における認知症について③~軽度認知障害(MCI)とは? 〜その診断と対応について〜

軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)は、「認知症ではないが、認知機能の低下が見られ、将来的に認知症へ移行する可能性がある状態」とされ、正常と認知症の中間段階とされています。 自動車運転に関する診断書などで「認知症ではないが、認知機…