在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

在宅医療における褥瘡

  • 高齢者の在宅医療において褥瘡というのは大きな問題となります。自身で身体の向きを変えられない+栄養状態の不良により皮膚が腐る(医学的には少し不適切ですが、一般の方の理解の為にあえて、こう表現します)。こうした褥瘡含めた傷に対して以前は消毒とガーゼでした。私も研修医の頃の至上命題は毎朝傷の消毒してガーゼを交換することでした。しかし、こうした治療に対し「湿潤療法」という方法で、傷に対する消毒をせず、ガーゼも使わないという治療提唱されたのが夏井先生の本でした。私が医師になったころは常識とされていた「傷に対する消毒とガーゼ」を「百害あって一利なし」と切り捨て、傷を「痛くなく、早く、きれいに」治す治療法(湿潤療法)を確立したのが夏井先生なのです。の理論に触れ、その非の打ち所のなさに脱帽し、湿潤療法を実践することにしました。本当に「痛くなく、早く、きれいに」治るのです。ただ、栄養状態が良くないと傷は治りません、褥瘡には栄養状態の改善+湿潤療法です。但し、寝たきりの患者さんなどには、これに体位の工夫等々あり、まだまだ深い領域です。

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写真は逗子在住山内明徳様撮影