在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

 在宅医療における風邪症状に対する漢方

風邪に対する漢方薬として有名なのは葛根湯です。

しかし、漢方薬は病名に対して使うのではなく、その人の体質や状況に合ったものを選ばないといけません。

葛根湯は「体力が中等度以上で、風邪の引き始めでゾクゾク寒気がして、汗をかいていない方」に使うと良いと言われています。

風邪で病院を受診した場合、すでに風邪を引いてから時間が経過しており、葛根湯を使うタイミングからズレていることが多いです。

在宅医療では、高齢者を中心に診ていますので、「体力が中等度以上」に高齢者は当てはまらないので、葛根湯を処方することは効力として、強すぎます。高齢者の風邪には麻黄附子細辛湯がよいでしょう。また葛根湯は、僧帽筋の筋緊張緩和に効果があるので、風邪ではなく肩こりに処方するのもお勧めです。自身若い頃は、強度の肩こりにて毎日服用していました