在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

高齢者の寝たきり原因の治療の弊害~カルシウム製剤の補充

高齢者を寝たきりにする原因として重要なものの一つに骨折があります。具体的には大腿骨頸部骨折(足の付け根の骨が折れる病気)、腰椎などの脊椎の圧迫骨折があります。こうした骨折、とりわけ大腿骨頸部骨折は、保存的治療という選択は難しく、手術する場合が多いのですが、手術→ベッド上安静→廃用萎縮→寝たきりというのは、非常によくある出来事です。こうした骨折を防ぐため活性型ビタミンD製剤の投与は、よく行われる投薬です。

活性型ビタミンD製剤(エディロール、アルファロール、ロカルトロールなど)は高齢者によく処方されますが、高齢者は腎機能が悪い方が多く、容易に高カルシウム血症を起こしてしまうので注意が必要です。高カルシウム血症は、全身倦怠感、食欲低下、便秘など非特異的な症状で発症するため、疑って採血をしない限り分かりません。なので倦怠感や食欲が低下しているなどの症状認める場合は、一度投薬を止めるのを検討すべきです。また、ビタミンD製剤を処方する前に、腎機能を確認しておく必要があります。また、処方した後も、定期的(3~6カ月に1回)な血清カルシウムの測定が必要です。高カルシウム血症の症状は、脱水、意識障害、腎不全 「だ・い・じ」と覚えるのをお勧めします。

#カルシウム製剤の弊害
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逗子、葉山、横須賀、鎌倉を撮影される山内様の写真です