「咳が長引く」「季節の変わり目に息苦しくなる」「昔はぜんそくと言われたけど、最近はCOPDと言われて…」
そんな方が対象となる可能性があるのが 「ACO」 です。
◆ ACOとは?
**ACO(Asthma-COPD Overlap)**とは、
「ぜんそく」と「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」の両方の特徴を持つ病態です。
もともと別々と考えられてきた疾患ですが、
中年以降になると両者の境界が曖昧になってくることがあります。
そんな患者さんを適切に治療していくために「ACO」という概念が生まれました。
◆ ACOと診断される人の特徴とは?
■ 基本条件
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40歳以上
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気管支拡張薬吸入後の1秒率(FEV1%)が70%以下
この条件でCOPDに該当します。
そのうえで「ぜんそくらしさ」が残っている場合に「ACO」と診断されます。
◆ COPD的な要素(どれか1つ以上)
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喫煙歴(例:1日20本 × 10年以上=200)
または同程度の受動喫煙歴 -
胸部CTで気腫性変化を認める
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肺拡散能障害がある
(これは専門的検査が必要なので、一般の方や非専門医にはわかりづらい指標です)
◆ ぜんそく的な要素(以下のいずれかを満たす)
【大項目】3つのうち2つ以上、または大項目1つ+小項目2つ以上
大項目
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変動性・発作性の呼吸症状(咳、痰、息切れなど)
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40歳以前のぜんそくの既往
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呼気中の一酸化窒素(FeNO)が35ppb以上
小項目
◆ ACOの治療は?
ACOでは両方の病態があるため、治療も吸入ステロイド+LAMA+LABAといった組み合わせが選択されることが多いです。
実際の臨床でも、私自身が多くの患者さんにこの3剤併用を行っています。
◆ 予防のカギは「禁煙」
若いころにぜんそくの治療を受けていた方でも、早めに禁煙していればACOに進展しなかった可能性もあります。
呼吸器疾患は、治療も大切ですが「日常生活での予防」が非常に重要です。
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