在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2023-06-10から1日間の記事一覧

高齢者の幻聴、妄想にレキサルティ投与の効果

ショートステイ中、廊下から「やっぱりこいつだ」という男の声を聞いた。自宅に帰ってきてから、天井から声が聞こえるようになり、天井に「面と向かって言え」などと話し掛けている。押入れを開けたり、家の中を徘徊するようになったと相談がありました。 抑…

がん終末期の鎮痛補助及び終末期不穏に対する、在宅でのもう一手

最近経験した症例です。 がん疼痛は体性痛,内臓痛,神経障害性疼痛に分類されますが,神経障害性疼痛は腫瘍の神経浸潤によって生じ,しばしばモルヒネなどのオピオイドに抵抗性で難治性です。 通常プレガバリン、ミロガバリンなど使用しますが、そもそも内…

がん緩和ケア+在宅医療医に必要ながん治療に関する知識を科学する 68

高カルシウム血症の治療に関して続編です ループ利尿薬 脱水の補正完了後の輸液継続中に投与 カルシウム値の低下を促す 骨髄腫では利尿薬の使用は控える(骨髄腫腎の危険) カルシトニンとステロイド 腎機能に関係なく使用可能 カルシトニンは副作用や禁忌が少…