在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2025-03-18から1日間の記事一覧

ハイドロリリース(筋膜リリース)を科学する16~腰痛と多裂筋委縮の関係 〜人知の限界と治療の選択肢〜

腰痛患者さんのMRIを撮影すると、多裂筋の委縮が顕著にみられることが分かります。報告によると、腰痛患者の約80%に多裂筋の委縮が生じているとされています。しかし、この関連性を明確に説明した医学書や論文を見つけることはできませんでした。 では、な…

がん患者さんの嘔気・嘔吐と制吐剤の選択について

がん患者さんはさまざまな理由で嘔気や嘔吐が生じやすくなります。そのため、これらの症状を抑えるために、一般的にプリンペランやノバミンが使用されることが多いです。しかし、どちらもドパミン受容体拮抗薬であり、使用時には注意が必要です。 ドパミン受…

栄養管理を科学する43~加齢による嚥下機能の低下と嚥下関連筋群の役割

加齢とともに嚥下機能が低下する要因の一つに、嚥下関連筋群の衰えがあります。これらの筋肉は、食べ物を飲み込む際に重要な役割を果たしています。 嚥下関連筋群の主な働き ✅ 舌圧を保持し、喉頭を引き上げる✅ 喉頭を収縮させ、しっかりと閉鎖する✅ 食道の…