在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

2025-06-12から1日間の記事一覧

創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する⑤~入浴後の更衣で皮膚が裂けた!?高齢者に多い「スキンテア」とは

70代女性Aさんは、入浴後に着替えをしている最中、**右前腕部に「スキンテア(skin tear)」**と呼ばれる皮膚裂傷を起こしました。発生時には出血もあり、スタッフはすぐにぬるま湯で傷を洗浄しましたが、Aさんは「強い痛み」を訴えていました。 スキンテア…

【在宅診療×膀胱炎】尿路感染症の診断と治療を見直す ー JAMAレビューより

JAMA誌にて、外来診療(在宅を含む)における**尿路感染症(UTI)**の診断とマネジメントに関する重要なレビューが掲載されました。膀胱炎は、在宅医療でも非常に頻繁に遭遇する疾患ですが、抗菌薬耐性や再発への対応など、日常臨床では悩ましい点も多いと思…

創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する④~スキン‐テアの管理5ステップ

**皮膚が裂けるように傷つく「スキン‐テア(skin tear)」**は、高齢者や脆弱な皮膚をもつ人に多く見られます。適切な処置を行うことで、疼痛や感染リスクの軽減、早期治癒が期待できます。ここでは、スキン‐テアの管理手順を5つのステップでご紹介します。 …

パーキンソン病を科学する21~セロトニン神経がドパミンを代償する?

〜ウェアリングオフの“裏側”で起きていること〜 パーキンソン病が進行すると、脳内のドパミン神経細胞(黒質線条体ドパミン系)は徐々に減少していきます。 その代償として、セロトニン神経(ラペ核由来)がドパミンを代わりに放出するというメカニズムが働…