在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

【がん患者さんのつらい口内炎に】試してほしい2つの治療法

がん患者さんは、抗がん剤放射線治療の影響で、口内炎(口腔粘膜炎)ができやすくなります。
「たかが口内炎」と思われがちですが、体調に敏感な患者さんにとっては大きなストレスとなり、食事・会話・睡眠など日常生活の質に大きく影響します。


一般的な治療では、なかなか治らない…

口内炎の治療は、軟膏や痛み止めが主流ですが、思ったような効果が得られないこともしばしば。
そこで今回は、がん患者さんにも使いやすい2つのアプローチをご紹介します。


① プロマックD錠を直接すり込む

プロマックD錠は、亜鉛を含む胃潰瘍治療薬です。
この薬を口腔内でゆっくり溶かしながら、舌で口内炎の部分にすり込むことで、口の中の粘膜を直接修復する効果が期待できます。

  • 粘膜保護・修復作用
  • 亜鉛補充による回復サポート(口内炎の原因に亜鉛不足が関与することも)

ツムラ「桔梗湯(ききょうとう)」の“含み飲み”

漢方薬桔梗湯をお湯に溶かし、冷ましてから口の中になじませながらゆっくり飲む、またはうがいして吐き出す方法です。

  • のどの炎症によく使われる漢方を、口内炎に応用
  • 甘草の自然な甘みで、比較的飲みやすい
  • 食事がとれない、内服が難しい方にもおすすめ

※よく使われる「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」は苦味が強いため、桔梗湯のほうが飲みやすいと感じる方が多いです。


❗注意:消毒薬の使用にはご注意を

イソジンアズノールなどの消毒薬でのうがいをする方もいますが、
これらは粘膜にダメージを与える可能性があるため、がん患者さんの口腔内ケアにはあまりおすすめできません


YouTubeで学ぶ「在宅診療と筋膜治療」

在宅医療の現場での工夫や、筋膜治療についての実践的な動画を配信中です!
医療従事者の方にも、患者さん・ご家族にも役立つ情報をわかりやすくお届けしています。

🔗 内田賢一 - YouTube


【在宅医療のご相談はこちら】

🏠 さくら在宅クリニック(逗子市)
🔗 公式サイトはこちら