在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

【冬の入浴事故にご注意】高齢者が“お風呂で突然死”するメカニズムとその予防法

冬になると、高齢者が入浴中に突然亡くなる事故が全国的に多発します。
今回はそのメカニズムと、私たちができる予防策について、わかりやすく解説します。


🧠 なぜ“入浴中の突然死”が起きるのか?

寒い脱衣所や浴室に入ると、体が冷えて血管がギュッと収縮し、血圧が急上昇します。
その後、熱い湯船に浸かると体が急激に温まり、今度は血管が拡張して血圧が急低下します。

この血圧の乱高下によって、脳への血流が不安定になり、高齢者では失神を起こしやすくなります。
結果として、浴槽内で意識を失い、そのまま溺死してしまうリスクがあるのです。

💡 ポイント:高齢者は自律神経の血圧調整機能が低下しているため、急激な変化に対応できません。


✔️ 入浴時の突然死を防ぐための7つの対策

  1. 脱衣所や浴室をあらかじめ温めておく

  2. お湯の温度は41℃以下に設定

  3. 入浴時間は10分以内に

  4. 食後・飲酒後の入浴は避ける

  5. 日没前の入浴(気温が下がる前に)

  6. 浴槽から急に立ち上がらない

  7. 同居家族は入浴中の見回りを習慣に


☕ 高齢者が「熱い風呂」を好む理由とは?

実は多くの高齢者が**「熱い湯でなければ入った気がしない」**と言います。
その背景には、日頃から体が冷えているという実感があり、熱い湯に長く浸かることで「体の芯から温まろう」としているのです。

🔥 昔ながらの温泉などでは45〜47℃の熱湯に平気で浸かる高齢者もいますが、それが命に関わるリスクを伴うことは忘れてはなりません。


🏠 「暖かい家」こそ最大の予防策

理想的には、日常生活から寒さを感じない住環境を整えることです。
しかし、「もったいない」と暖房をあまり使わない高齢者も少なくありません。

そのような場合は、せめて脱衣所だけでも暖房器具を設置し、入浴前に室温を上げておくことが重要です。


🚿 入浴が難しい方には「訪問入浴」も選択肢

自宅の浴槽での入浴が不安な方には、訪問入浴サービスの利用をおすすめします。
訪問入浴では、**入浴前のバイタルチェック(血圧・体調)**や、看護師・介護士による見守りがあるため、安全性が格段に高まります。


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🌸 さくら在宅クリニックの取り組み

私たち**さくら在宅クリニック(逗子・葉山・横須賀・鎌倉)**では、
高齢者の入浴・生活環境の整備から、神経難病や終末期ケアまで、安心してご自宅で過ごしていただけるよう全力で支援しています。

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