在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

ハイドロリリース(筋膜リリース)を科学する9~筋膜リリース(ハイドロリリース)と細胞レベルのメカニズム

写真の説明はありません。

筋膜リリース(ハイドロリリース)、鍼灸等々一般的に筋膜へのアプローチは、単純化するならば機械的刺激です。
何かを静脈内へ注入する訳ではありません(いわゆる点滴ですね)、また物理的構築を変化させる訳でもありません(私が普段行っている脊椎の手術はこれですね)。
では、こうした機械的刺激がどの様な機序で細胞レベルで影響を及ぼすのか
図に示したように細胞にはインテグリンというアンテナの様な構造物があります(正確にはreceptorです)。インテグリンの働きとして、細胞と細胞外マトリックスを接着させることが挙げられます。これは細胞外マトリックスとしてのコラーゲンにも当てはまります。
そしてインテグリンの特徴は、化学刺激でなく機械的刺激に反応、伸長と振動に鋭敏に反応することです。

筋膜リリース(ハイドロリリース)や鍼灸など、筋膜へのアプローチは基本的に機械的刺激を用いた施術です。これらは、静脈内に何かを注入する(点滴)わけでもなく、物理的に構造を変化させる(手術)わけでもありません

では、このような機械的刺激がどのようなメカニズムで細胞レベルに影響を及ぼすのか、少し掘り下げて解説します。

細胞の“アンテナ” インテグリンとは?

細胞の表面には、インテグリンと呼ばれるアンテナのような構造(正確にはレセプター)が存在します。インテグリンの主な役割は、細胞と細胞外マトリックスECM)を接着させることです。この細胞外マトリックスには、コラーゲンなどが含まれています。

インテグリンは機械的刺激に反応する

インテグリンの特徴は、化学的な刺激ではなく、機械的な刺激(伸長や振動)に鋭敏に反応することです。言い換えるならば、私たちの身体の細胞は、インテグリンを通じて細胞外マトリックスとつながり、常に環境をモニタリングしているということになります。

筋膜リリース(ハイドロリリース)とインテグリンの関係

筋膜リリース(ハイドロリリース)などの施術は、こうしたインテグリンを通じて細胞に影響を与えることで、組織の状態を改善していると考えられます。つまり、筋膜リリースは単なるマッサージではなく、細胞レベルでの働きかけによって組織の回復や機能改善を促す可能性があるのです。

この仕組みについては、また詳しく掘り下げていきますので、ぜひ次回もお楽しみに!


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