在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

パーキンソン病を科学する34~パーキンソン病の診断に頭部MRIは必要?―その役割と限界

パーキンソン病が疑われた際に、多くの方が「MRIでわかるのか?」と疑問に思われます。今回は、パーキンソン病における頭部MRIの位置づけについて解説します。

🧠頭部MRIの基本的な役割

実は、典型的なパーキンソン病では頭部MRIに明らかな異常はほとんど見られません。それでもMRIを行う目的は、「パーキンソン病に似た別の病気(非定型パーキンソニズム)」を除外するためです。

🔍MRIで鑑別すべき疾患

頭部MRIで異常所見がみられることのある疾患には、以下のようなものがあります:

  • 進行性核上性麻痺(PSP

  • 多系統萎縮症(MSA)

  • 皮質基底核変性症(CBD)

  • 正常圧水頭症NPH

  • 脳血管性パーキンソニズム

これらはパーキンソン病と似た症状を呈するため、MRIで特徴的な所見がないかを確認します。

⚠️注意すべきポイント

ただし、これらの疾患でも初期段階ではMRIに異常が見られないことも多く、診断に苦慮するケースもあります。したがって、画像だけでなく、問診・身体所見・経過観察を含めた総合的な評価が大切です。


在宅医療の現場でも、パーキンソン病を含む神経疾患の早期発見・診断支援を行っています。ご家族の中に気になる症状がある方は、ぜひご相談ください。

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