在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

心不全を科学する

本日より心不全の病態を科学してまいります。在宅医療は医療的介入(治す医療)よりケアが主体となる医療(苦痛の除去、栄養管理等)と考えがちです。

しかし慢性心不全治療は新しいパラダイムへ入り、在宅医療において慢性心不全に対しては治療により劇的に症状改善する患者様を目のあたりにすると、本当にこの領域は勉強しなければ痛感としております。在宅医療の譲れない一線『自分が受けたい医療、自分の親に受けさせた医療』を実現するため慢性心不全をアップデートすることは必須と考えます。

ファンタスティックⅣをどう使うか、HFpEF(EFの保たれた心不全)って何?何ができるの?という自身の問いを皆さまと共有できればと考えています。

そもそも心不全とは、如何なる病態であるか。

下図は、体循環と肺循環をモデル化したものです。

この体循環を肺循環のフローする循環血漿量が等しい場合が、正常な心機能と呼べます。

一方戻って来る血液と出て行く血液に不均衡が生じた状態が心不全です。

下図のように1.0血液が戻ってくるのに0.9しか駆出できない状態では、うっ血という病態となり心不全となります。まさに心臓の最も重要な機能である、血液を身体に送り届けるエンジンの機能不全=心不全です。

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