在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する22~末梢静脈カテーテルの留置・管理で求められること

画像が生成されました末梢静脈カテーテルとは

末梢静脈カテーテル(Peripheral Intravenous Catheter:PIVC)の留置は、看護師が日常的に行う医療行為の一つです。しかし、これは決して簡単な処置ではなく、患者への苦痛を最小限に抑えつつ、安全に実施するための高い技術力が求められます。


留置時に伴うリスク(図1-①)

カテーテルを穿刺する際には以下のようなリスクがあります:

  • 穿刺による苦痛

  • 動脈穿刺

  • 神経損傷

これらは患者にとって大きな負担となるため、慎重かつ正確な手技が必要です。


留置後に生じるトラブル(図1-②)

一度カテーテルを留置しても安心はできません。観察や管理が不十分な場合、次のような合併症が起こる可能性があります:

  • 静脈炎

  • 薬剤の血管外漏出

いずれも早期発見と適切な対応が重要です。


エコーがサポートできること

こうしたリスクやトラブルを最小限にするために、**エコー(超音波検査)**が有効なサポートとなります。

  • 留置前の血管アセスメント
    → 血管径・深さ・走行を把握し、穿刺の成功率を高める

  • 留置後の観察
    → 静脈炎や血管外漏出を早期に発見できる

エコーを用いることで、従来の視診・触診だけでは捉えきれなかった情報が得られ、より安全で確実な輸液管理が可能になります。


まとめ

末梢静脈カテーテルの留置・管理は、患者の安全と快適さを守るための看護技術の集大成ともいえるスキルです。
その実践を強力にサポートしてくれるのがエコーであり、今後ますます活用が期待されています。

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