~安全で確実なカテーテル留置のために~
2015年10月、厚生労働省の通知により、看護師による特定行為が明文化されました。その中には PICC(Peripherally Inserted Central Venous Catheter:末梢静脈挿入中心静脈カテーテル) の挿入も含まれています。
すでに特定行為研修を修了した看護師が臨床でPICCを挿入しており、今後さらに現場で活用されていくことが期待されます。
PICCとは?
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特徴
適切な血管を選ぶ
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肘正中皮静脈はよく用いられるが、径は約5mm程度
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上腕尺側皮静脈は径が10mm前後と太く、長期留置に適している
→ただし、目視や触診では確認できず、エコーによる観察が必須
エコーを用いることで、動脈や神経叢を避けつつ、安全に太い血管を選択できます。
エコーでできること
① 挿入血管の確認
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太さ・深さ・走行をリアルタイムに観察
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動脈や神経叢を避けた穿刺が可能
② カテーテル先端位置の確認
海外では「バブルテスト」という方法がスタンダードに用いられています。
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PICCを適切な長さで挿入後、右心房にエコープローブを当てる
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生理食塩水10mLをカテーテルから注入
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右心房内に微細な泡が描出されれば、先端が正しい位置にある証拠
この方法を用いることで、胸部X線を待たずに先端位置を確認できるというメリットがあります。
まとめ
PICCは、在宅医療や急性期・慢性期の病院で幅広く活用されるカテーテルです。
エコーを用いることで、
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より安全に太い静脈を選択できる
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カテーテル先端位置をリアルタイムに確認できる
といった利点があります。
患者さんにとっても侵襲性が少なく、医療者にとっても安全性と効率を高める方法として、今後さらに普及していくでしょう。
🔗 関連動画:さくら在宅チャンネル(YouTube)
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