在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

在宅医療を科学する52~

在宅医療フットケア爪周囲炎PAD末梢動脈疾患訪問看護褥瘡予防施設ケア糖尿病感染管理

在宅医療・施設での注意点

在宅や施設でのフットケアは、セルフケアが難しい患者さんを支える大切な医療行為です。訪問の機会を活かして、以下のポイントを意識した観察・ケアを行いましょう。

  • 毎回の足の観察(訪看に依頼可)――色・温度・傷・むくみを確認する習慣を。
  • 爪切りはできればフットケア対応の訪看に依頼し、専門的に対応してもらう。
  • 圧迫ストッキングはPADが強い場合は禁止。動脈血流をさらに低下させるリスクあり。
  • 軽微な傷でも早期治療を開始し、「様子見」で悪化させない。
  • びらん・発赤が長引く場合は受診を検討し、器質的疾患の見逃しを防ぐ。

Take Home Message

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爪周囲炎+PAD の併存は要注意!
  • 血流不足により治りにくい・悪化しやすい状態が続く。
  • 蜂窩織炎 → 潰瘍 → 壊疽へと進行するリスクが高い。
  • 早期介入・こまめな観察が必須。「ちょっと赤い」を見逃さない。
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管理ポイント
  • 早期の局所ケア――洗浄・保護・感染徴候のモニタリング。
  • 必要なら抗生剤内服を迷わず開始する。
  • PADケア(保温・血流改善)を同時に行い、治癒環境を整える。
  • フットチェックの徹底――多職種で情報共有し、見逃しゼロを目指す。

爪周囲炎は「たかが爪のトラブル」と軽視されがちですが、PADを合併している患者さんでは、血流不足によって感染が急速に広がり、最悪の場合は切断に至ることもあります。
在宅・施設では専門医へのアクセスが遅れやすいからこそ、訪問スタッフが早期発見・早期報告を担うことが非常に重要です。日々の足の観察を習慣化し、少しでも変化があればすぐに医師へ相談してください。