

在宅でPAD(末梢動脈疾患)患者を診るとき、何を・どのように評価すべきか。本記事では循環評価と感染評価の2軸に分けて、現場ですぐに使える観察ポイントを整理します。
① 評価の2つの柱
PAD患者のフットケア評価は大きく「循環評価」と「感染評価」の2本柱で行います。どちらかが欠けると、重篤な合併症を見逃すリスクがあります。
⚠️ PAD患者は「痛みが出にくい」ため、
目視での観察がより重要。
② 循環評価の詳細
ABI(足関節上腕血圧比)は0.9未満でPADを示唆します。在宅では計測が難しい場合もありますが、可能であれば積極的に活用しましょう。
足背・後脛骨動脈の触知は最も手軽な循環評価です。触れない・弱い場合は虚血を疑います。CRT時間は2秒以上で循環不良のサインです。
皮膚の色調も重要な手がかりです。蒼白は動脈血流の低下、紫色(チアノーゼ)は静脈うっ滞や重篤な虚血を意味します。
💡 ポイント:皮膚温の左右差も循環評価に役立ちます。患側が健側より冷たければ、動脈血流の低下を疑いましょう。
③ 感染評価の詳細
PADによる虚血創は感染を合併しやすく、悪化すると壊疽・下肢切断に至ることがあります。感染の5徴候(発赤・腫脹・熱感・疼痛・機能障害)を意識して観察してください。
びらんや浸軟は、過度な湿潤環境が皮膚を傷めているサインです。特に趾間(足指の間)は見落としやすいため、毎回確認する習慣を持ちましょう。
皮膚破綻の範囲は、創部の拡大・縮小を経時的に記録することが重要です。スケールで計測するか、写真による記録が推奨されます。
④ なぜ「目視」が特に重要なのか
PAD患者は末梢神経障害を合併していることが多く、足に傷ができても「痛みを感じない」ケースが少なくありません。患者本人が気づかないうちに潰瘍が悪化する「サイレント創傷」が問題です。
だからこそ、訪問のたびに靴下・靴を脱いでもらい、足全体(踵・趾間・足底を含む)を目視で確認することが、在宅フットケアの基本となります。