在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

精神疾患を科学する 在宅医療で関わる精神疾患について⑮~誇大妄想をやさしく解説|健康妄想・宗教妄想・血統妄想の3タイプ

誇大妄想をやさしく解説|健康妄想・宗教妄想・血統妄想の3タイプ

自分を過大評価し、神や戦国武将などすごい人間だと思い込む「誇大妄想」。躁うつ病でよくみられる特徴と、3つのタイプ、対応のポイントを整理しました。

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妄想の1つ

誇大妄想

[こだいもうそう]
よくみられるケース躁うつ病
自分を過大評価し
神、戦国武将などすごい人間だと思い込む

自分を過大評価してしまい、自分はすごい人間で、何でもできると思ってしまう妄想です。おもに躁状態でみられます。

誇大妄想は、躁うつ病で出現することが多いですが、統合失調症などほかの精神疾患でみられることもあります。自分をすごい人間だと思うので、偉そうな態度をとったり、まわりに対して攻撃的になることもあります。

② 誇大妄想の3タイプ

誇大妄想には、次のような種類があります。

健康妄想

自分の健康面・身体面を過大評価するあまり、「自分は病気になるはずがない」「自分は無敵です」というようになってしまいます。

宗教妄想

自分を神や教祖など、宗教的に重要な人物やあがめられる人物だと思ってしまいます。

血統妄想

自分を皇族や戦国武将など、高貴な人や偉人の子孫・血族だと思ってしまいます。

③ 対応のポイントと継続期間の違い

基本はヨイショしておだてながら対応することになりますが、自分が一番偉いと思っているのでなかなか動いてくれないときもあります。

統合失調症の場合

妄想のほとんどは継続します。

躁うつ病(躁状態)の場合

数週間しか続かず、妄想も一過性です。例えば自分を教祖だと思ったりしても、宗教を実際に起こしたりする前に気分が落ち着くので、宗教を起こすことはあまりないと考えられます。

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在宅診療の視点から

誇大妄想がある方には、正面から否定すると攻撃的な反応が返ってくることがあります。安全を確保しながら、必要なケアや服薬にはできるだけ協力してもらえるよう、ヨイショしながら関わる工夫が現場では役立ちます。

まとめ

  • 誇大妄想は、自分を過大評価し何でもできると思い込む妄想です
  • 躁うつ病の躁状態で多くみられますが、統合失調症などでもみられます
  • 健康妄想(無敵)、宗教妄想(神・教祖)、血統妄想(高貴な血族)の3タイプがあります
  • 対応の基本はヨイショしておだてることですが、攻撃的になる場合もあり安全確保が必要です
  • 統合失調症の妄想は継続しやすい一方、躁うつ病の誇大妄想は数週間で一過性に収まりやすい傾向があります