在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

攻めの栄養療法を科学する42~リハビリテーション栄養における栄養剤の考え方と使い分け

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2019年9月時点で入手可能な栄養剤の例をもとに、リハビリテーション(リハ)と栄養管理をどのように組み合わせるかを整理します。


① 総合栄養素補給型の栄養剤

― まずは「足りていない栄養」を満たす ―

栄養摂取量が不足している場合、最優先すべきは摂取栄養量の確保です。
単にエネルギーだけでなく、

包括的に補給できる栄養剤を選択することが重要です。

このタイプの栄養剤は、以下のような状況で特に推奨されます。

  • 低栄養患者

  • サルコペニア患者

  • リハの時間や負荷が増加している場合

食事だけで必要量を満たせない場合には、不足分を栄養剤で補うという考え方が基本になります。


② BCAA・ビタミンD強化型栄養剤

― リハ効果を高める「攻めの栄養」 ―

リハの効果を高める目的で、**分岐鎖アミノ酸(BCAA)**の補給が行われます。
特に、

  • BCAA

  • なかでも ロイシン

は、効率的な筋たんぱく合成を促進することが知られています。

また、ビタミンD欠乏に対しては、
👉 1日10~20μgのビタミンD補給
により、

  • 身体機能の改善

  • 筋力向上

  • 転倒・骨折リスクの低減

が期待されます。

これらの栄養素が強化された栄養剤は、
レジスタンストレーニングなどの訓練時に、筋肉量・筋力を増やす目的で使用されます。


③ 栄養剤の選択方法 ―「続けられる」ことが最重要―

栄養剤を選択する際には、使用目的に応じて以下を総合的に判断します。

  • 栄養剤の形態(液状・ゼリー・粉末など)

  • 主な栄養組成

  • 患者の病態

  • 嗜好

  • コスト面

🔹 形態への配慮(特に高齢者)

高齢者では嚥下機能低下を認めることも多く、形態選択が重要です。

  • 嚥下障害がある → ゼリータイプ

  • 甘い味が苦手 → フルーツ系・スープ味

  • 少量で効率よく → 高濃度・小容量タイプ

など、**「無理なく継続できるか」**を重視します。


④ 目的別の使い分けまとめ

🔸 低栄養・サルコペニア改善、リハ負荷増加時

総合栄養補給型栄養剤を選択

  • エネルギー必要量を算出

  • 食事で不足する分を栄養剤で補充

  • 使用量の目安:1日1~6本(個別調整)

🔸 筋肉量増加を目的とする場合

BCAA強化型栄養剤を選択

BCAA強化栄養剤を1日1本以上摂取することで、この条件を満たすことが可能です。

⚠️ ただし、高齢者では
「栄養剤を飲んだことで食事量が減る」
たんぱく質摂取量が増えない
ということも起こり得ます。

そのため、
栄養状態・食事摂取量・嗜好を確認しながら選択することが重要です。


まとめ|リハ栄養は「量 × 質 × タイミング」

  • まずは総合栄養で不足を補う

  • 目的に応じてBCAA・ビタミンDを活用

  • 「飲める」「続けられる」形態選択がカギ

  • 食事量を減らさない工夫が重要

リハと栄養は切り離せません。
適切な栄養剤の選択が、リハの成果を大きく左右します。


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