在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する8

臨床の現場で即役立つ、プローブの当て方・評価の目的をまとめて解説!


観察部位ごとのプローブ操作

■ 仙骨部(褥瘡の評価)

  • 使用画像:長軸像/短軸像

  • 観察ポイント:皮下脂肪層と仙骨との位置関係、浮腫の有無

  • 目的:褥瘡の深達度評価や予後予測

  • 操作のコツ:動かさず“止めて観る”こと!


■ 大転子部(褥瘡・軟部組織評価)

  • 使用画像:長軸像/短軸像

  • 観察ポイント

    • 骨(大転子)との位置関係

    • 筋肉・皮下脂肪層の間の液体貯留や壊死

  • 目的:深部損傷の評価と進行予測


■ 踵部(足部褥瘡)

  • 使用画像:長軸像/短軸像

  • 観察ポイント

    • 皮膚と脂肪の間に液体貯留がないか

    • 脂肪体の形態変化

  • 目的:褥瘡の早期発見と対応

🟨 コツ:プローブの安定性確保のため、丸めたタオルなどで足を台に!

■ 下肢血管(静脈血栓などの評価)

  • 使用画像:長軸像/短軸像

  • 観察ポイント

    • 静脈の閉塞像、血栓の有無

    • カラードプラで血流動態を確認

  • 目的:深部静脈血栓症(DVT)の早期発見、血管狭窄の評価


■ ストーマ周囲

  • 使用画像:4方向からの観察

  • 観察ポイント

    • 皮下脂肪層の肥厚や腹壁筋の走行

    • ヘルニアの有無(腹腔内容の逸脱)

  • 目的:膨隆の正体鑑別(脂肪肥厚 or ヘルニア)


■ 末梢静脈(穿刺困難症例の評価)

  • 使用画像:長軸像/短軸像

  • 観察ポイント

    • 静脈の走行・径・深さ

    • 動静脈の判別(動脈拍動/カラードプラ併用)

  • 目的:穿刺困難時における穿刺位置・深さ・角度の検討

    画像の保存方法

    ● 基本操作(例:Aplio™ 500)

    1. 観察位置が定まったら「FRZ(一時停止)」ボタンを押す
       → 動画から静止画に切り替える

    2. 「画像保存」ボタンを押して画像を記録
       → エコー本体に保存、またはネットワーク経由でサーバーへ送信

    3. 記録媒体:USBやCD-R、HDDにエクスポート可能(施設設定に準拠)

    🟩 保存後の画像は、経時的な変化の比較・記録・他職種との情報共有に必須!


    まとめ:観察部位と目的の対応一覧

    観察部位 観察目的
    仙骨・大転子・踵 褥瘡の評価・予後予測
    下肢血管 血栓の有無、血流動態
    ストーマ周囲 ヘルニア鑑別
    末梢静脈 静脈穿刺位置の確認
    その他軟部組織 炎症、浮腫、出血の有無

    エコー観察は、ただ「当てて見る」だけではなく、目的に応じたプローブ操作と画像評価のスキルが問われます。ご紹介した手順を習得すれば、褥瘡や血管評価、穿刺困難例など多くの臨床場面で大きな力になります。