在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する37~上肢に行う末梢神経ブロック ― 腕神経叢とエコーの描出ポイント

画像が生成されました末梢神経ブロックは、上肢・下肢・胸部・腹部に大きく分けられます。ここでは 上肢のブロック(腕神経叢ブロック) について整理します。


腕神経叢の解剖と走行

腕神経叢は、第5頸椎(C5)から第1胸椎(T1)の脊髄神経前枝が合流して形成されます。

  • 前斜角筋と中斜角筋の間を通過

  • 鎖骨の下をくぐり、腋窩へと続く

エコーを用いることで、これらの走行をリアルタイムに確認しながらブロックが可能です。


穿刺アプローチの4つの部位

腕神経叢ブロックには以下のアプローチがあります(図参照)。

  1. 斜角筋間アプローチ(interscalene)

    • 神経の描出が容易で、肩の手術でよく用いられる

    • カテーテル留置も可能

  2. 鎖骨上アプローチ(supraclavicular)

  3. 鎖骨下アプローチ(infraclavicular)

  4. 腋窩アプローチ(axillary)

目的とする部位や術式に応じて選択されます。


適応となる疾患・手術

  • 肩や上肢の手術

  • 術後疼痛コントロール

  • 手指の血流障害に伴う痛みや血流改善

特に、肩の手術では斜角筋間にカテーテルを留置し、術後リハビリテーションに有効です。


エコーで描出すべき3つのポイント

エコーガイド下で末梢神経ブロックを行う際には、以下を描出することが重要です。

  1. 神経

    • 中枢側 → 黒い円形の無エコー域

    • 末梢側 → 蜂の巣状(白と黒が混在)

  2. 神経が走行する筋膜面や空間

    • 筋膜・骨は白く高エコー

    • 骨深部は音響陰影で黒く抜ける

  3. ブロック針

    • 針先をエコーで確認しながら局所麻酔薬を注入


まとめ

腕神経叢ブロックは、肩や上肢の手術・疼痛管理に広く用いられます。エコーを活用することで、

  • 神経・筋膜・針先を確実に描出

  • 安全で確実な麻酔効果

  • カテーテル留置による持続的な鎮痛

が可能となり、術後のリハビリや患者QOLの改善に役立ちます。


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#末梢神経ブロック #腕神経叢 #エコー #特定行為 #看護師技術