在宅診療医 内田賢一 奮闘記

三浦半島の根本である逗子・葉山及び横須賀、神奈川で在宅診療行っています。長らく血管障害を中心として脳外科医として働いてきましたが、自分のキャリア後半戦は自分の大好きな湘南の地の人々が本当に自宅で安心して医療受け過ごせるお手伝いをできたらと考えております。自身の医療への思いや分かりにくい医学の話を分かりやすく科学的根拠に基づき解説して参ります。

創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する14~【写真で学ぶ褥瘡ケア】紅斑・紫斑や水疱をどう評価し、何を使う?

褥瘡(じょくそう)は進行すると深部組織まで損傷し、感染や慢性化のリスクが高まります。
しかし、早期に適切なケアを行えば進行を食い止めることが可能です。
今回は**DESIGN-Rで言う「d1(紅斑・紫斑)」と「d2(水疱)」**の症例をもとに、ドレッシング材の選択とその理由について解説します。


🔴 症例1:紅斑・紫斑(d1)



部位:胸椎突起部(背中)
滲出液:なし
創周囲:熱感なし

✅ 適切なドレッシング材

ポリウレタンフィルム

💡 選択理由

紅斑や紫斑は**皮膚表面にまだ損傷がみられない段階(d1)**です。
このような状態には、**創の保護と摩擦・ずれの軽減を目的に、透明で密着性の高い「ポリウレタンフィルム」**が適しています。
また、滲出液がないため吸収性は求められず、密着・防水性が重要になります。


🔵 症例2:水疱(d2)



部位:踵部(かかと)
滲出液:なし
創サイズ:約4.5 × 3.0 cm
創周囲:熱感なし

✅ 適切なドレッシング材

ポリウレタンフィルム

💡 選択理由

水疱(d2)は表皮の一部が浮いて液体が貯留した状態で、まだ皮膚バリアは一部残っています
感染や摩擦による破損を防ぐために、やさしく創部を保護しつつ、観察も可能な「ポリウレタンフィルム」が推奨されます。
創周囲に炎症や感染の兆候がなく、滲出液もないため吸収力は必要なく、防護と観察性を重視した選択となります。


📝まとめ:初期褥瘡の判断と対応

病期 皮膚状態 適応ドレッシング材 ポイント
d1 紅斑・紫斑 ポリウレタンフィルム 摩擦予防と保護
d2 水疱 ポリウレタンフィルム 破れを防ぎつつ観察

初期の褥瘡は正しい判断と適切な材料選択で進行を防げるケースが多く、
特にポリウレタンフィルムは観察性と防護性能を両立できる便利な選択肢です。

  • 🌸 スキン‐テアの正しい理解とケアで患者さんのQOLを守ろう

    スキン‐テアは高齢者に多く見られる創傷であり、正確な評価と分類がとても大切です。
    STAR分類を活用し、早期発見・適切な対応につなげましょう。


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